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有限責任会社(LLC)と株式会社(JSC)の違いと選び方 


会社設立の最初の一歩として欠かせないのが「会社形態の選択」です。本記事では、法律と実務に精通した専門家が、有限責任会社(LLC)と株式会社(JSC)の違いをわかりやすく整理し、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。
自社に最適な形態を選び、失敗しないベトナム進出を実現しましょう。

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Tag: #会社設立  #有限責任会社(LLC)  #株式会社(JSC)  #外資規制  #ベトナム進出  #投資法  #法人形態

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目次

  1. はじめ
  2. 有限責任会社と株式会社の主な違い
  3. どちらを選ぶべきか?目的別の考え方
      3.1 少人数投資や経営権集中を重視する場合(有限責任会社が適する)
      3.2 大規模投資や株式公開(IPO)を目指す場合(株式会社が適する)
  4. まとめ

1. はじめ

ベトナムで事業を立ち上げる際、最初に決めるべき重要なポイントの一つが**「どの会社形態で設立するか」**です。
ベトナムでは主に 有限責任会社(LLC)株式会社(JSC) の2つの形態があり、どちらも法律に基づいて設立されますが、必要な資金規模・組織体制・経営スタイルが大きく異なります

本記事では、両者の特徴をわかりやすく整理し、自社に最適な形態を選ぶための判断基準を解説します。
法律の専門知識がなくても理解できる内容になっていますので、ぜひベトナム進出の第一歩としてご参考ください。

2.有限責任会社と株式会社の主な違い

比較項目有限責任会社(LLC)株式会社(JSC)
出資者(株主)の数1人(1人有限責任会社)
または2〜50人(2人以上有限責任会社)
3人以上(上限なし)
責任範囲出資額まで(有限責任)出資額まで(有限責任)
資本金形態出資持分で構成株式(等額)で構成
株式発行不可(株式による資金調達不可)
※社債発行は可能
可能(株式・社債などで資金調達が可能)
組織構成(例)モデル:会社会長+社長(総社長)
モデル:社員総会(会長)+社長(総社長)
※取締役会・監査役会は不要
モデル:株主総会+監査役会+取締役会+社長(総社長)
モデル:株主総会+取締役会+会計監査委員会+社長(総社長)
※補足1人有限責任会社はモデル①または②を選択可
2人以上はモデル②が必須
株主が11人未満かつ50%未満保有なら監査役会は任意
モデル②では取締役の20%以上が独立取締役必須
持分・株式譲渡他の社員に優先買取権あり(先買権)原則自由(ただし設立から3年以内は発起株主以外への譲渡は株主総会の承認が必要)
上場・公開性上場不可(株式公開不可)
※社債発行で間接的な資金調達は可能
上場可能(株式発行・一定基準を満たせば証券取引所で公開可能)

3.どちらを選ぶべきか?目的別の考え方

💼 少人数投資や経営権集中を重視する場合(有限責任会社が適する)

  • 合弁会社や少人数での出資を予定している
  • 創業者が経営権を強く保持したい
  • 意思決定を迅速かつシンプルに行いたい

有限責任会社(LLC)は、取締役会の設置が不要で、社員総会を中心に意思決定を行うため、経営判断をスピーディに進められます
また、出資者自身が直接経営方針を決定できるため、経営権を集中させやすく、管理コストも低く抑えられます(企業法第76条)
さらに、持分譲渡に制限(優先買取権)があるため、外部からの経営介入を防ぎ、安定した経営権を確保できます。

📌 おすすめ:初期段階・中小規模の事業に最適

📈 大規模投資や株式公開(IPO)を目指す場合(株式会社が適する)

  • 多数の投資家から資金を集めたい
  • 将来的に株式上場(IPO)を目指したい
  • 長期的な成長戦略を描いている

株式会社(JSC)は、株式・社債の発行により柔軟で大規模な資金調達が可能です。
株主数に上限がないため、外部投資家を迎え入れやすく、上場も視野に入れられます
また、ベトナムの証券法・企業法では公開会社として上場するために株式会社形態が必須とされ、通常上場には最低資本金300億VND以上、厳格な財務開示・監査体制が求められます。

📌 おすすめ:大規模投資・上場を視野に入れる企業に最適

4.まとめ

ベトナムで会社を設立する際は、投資規模・経営方針・将来戦略を明確にしたうえで、最適な会社形態を選択することが重要です。

  • 👥 少人数投資・経営権集中型 → 有限責任会社(LLC)
  • 💹 大規模投資・上場志向型 → 株式会社(JSC)

どちらもベトナム企業法に基づき設立され、法的に保護されています。
自社に合った形態を選ぶことが、ベトナム進出成功の第一歩です。


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