ベトナムのインボイス制度と電子インボイス対応【日系企業必見】
ベトナムのインボイス制度は、日本と異なり税務処理に直結。電子インボイス義務化のポイント、日系企業がよく犯すミスと罰則リスクを解説。
※無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用をご遠慮いただきますようお願いいたします。
| BETOMO(ベトモ)は、ベトナムで活動する日系企業向けに、法務・会計・人事・バックオフィス業務をワンストップで支援するBPOプラットフォームです。 経験豊富な専門チームが、煩雑な管理業務を包括的に代行し、貴社が本業と事業成長に専念できる環境づくりをサポートします。 ▶ BETOMOについて詳しく見る |
目次
- 日本との違い:ベトナムのインボイスの位置づけ
- 電子インボイス義務化の概要とスケジュール
- 日系企業がよく陥るインボイス関連のミス
3.1. 会社名・税コードの誤記
3.2. インボイス発行の遅延
3.3. 非登録の電子インボイス使用 - 違反した場合のリスクとペナルティ
- ケーススタディ:VAT控除を失った日系企業の例
- インボイス管理を効率化するための実務対応
- まとめ
1. 日本との違い:ベトナムのインボイスの位置づけ
日本では請求書(インボイス)は商取引上の証憑に過ぎません。
👉 一方、ベトナムでは インボイスが税務上の必須証拠 となり、これがなければ経費計上もVAT控除もできません。
➡️ 言い換えると、「正しいインボイスがない=経費否認・VAT控除不可」 という扱いになります。
2. 電子インボイス義務化の概要とスケジュール
- 2022年7月1日以降、すべての企業に電子インボイスの使用が義務化されました。
- 電子インボイスは税務当局に登録し、定められたフォーマットで発行・保存する必要があります。
- 発行・保存・検索は税務局のシステムを通じて行われます。
👉 日本のようにPDFや紙で自由に発行することは認められていません。
3. 日系企業がよく陥るインボイス関連のミス
3.1. 会社名・税コードの誤記
- 社名を略記、記号を省略、文字を誤記、税コードを誤記した場合 → インボイス無効。
- 結果:VAT控除不可、経費認定不可。
3.2. インボイス発行の遅延
- 規定では取引発生時に即時発行が必要。
- 遅延すると罰金、場合によっては「脱税」と見なされることも。
3.3. 非登録の電子インボイス使用
- 税務局に登録されていないソフトを使うと、そのインボイスは無効扱い。
- 決算・税務調査時に大きなリスクとなる。
4. 違反した場合のリスクとペナルティ
- VAT(10%)控除不可
- 法人税計算上の経費否認(20%課税対象に)
- 行政罰(金銭罰)
- 税務調査の対象リスク増大
5. ケーススタディ:VAT控除を失った日系企業の例
ある日系製造企業(ハノイ)が原材料を 10億VND で仕入れ。
- インボイスに会社名を誤記 → インボイス無効と判断。
- 結果:
- VAT 1億VNDの控除不可
- 10億VNDの経費不認定 → 法人税追加2億VND
👉 合計3億VNDの損失 という大打撃に。
わずかな記載ミスが巨額損失につながる典型例です。
6. インボイス管理を効率化するための実務対応
- 経理スタッフへの教育:インボイスの重要性を理解させる。
- 発行前チェック体制:社名・税コード・金額・日付を二重チェック。
- 認定済みの電子インボイスソフト導入:税務局承認済みのものを使用。
- 内部プロセスの整備:発行担当 → 経理責任者 → 日本人マネジメント確認。
- 日越バイリンガル管理:日本人経営者が確認しやすい形で保存・共有。
7. まとめ
ベトナムのインボイス制度は、日本と比べて 税務に直結する重要な仕組み です。
たった一つの誤りで数百万〜数千万JPY相当の損失を招くこともあります。
👉 ポイントは「電子インボイス義務化に確実に対応すること」「社内プロセスを整備すること」。
👉 BETOMOは日系企業向けに、電子インボイス導入・管理・内部統制をトータルサポートします。