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ベトナムの法人税・VATの基礎と実務対応【外国企業向け】

ベトナムの法人税(CIT)と付加価値税(VAT)の基本、申告期限、延滞罰金、過納付の処理方法をわかりやすく解説。外資企業が押さえるべき実務ポイントを紹介します。

目次

  1. はじめに
  2. 法人税(CIT)について
  3. 付加価値税(VAT)について
  4. 実際の申告・納税の流れ
  5. 申告漏れ・遅延・過納付のケースと対応方法
  6. 日本企業にとっての実務的ポイント
  7. まとめ

1. はじめに

ベトナムで会社を運営する外国企業にとって、**法人税(CIT)付加価値税(VAT)**は必ず向き合う大きな税務テーマです。
日本と同じ感覚で処理してしまうと、申告遅れやミスで思わぬ罰金を受けるケースも少なくありません。

本記事では、税率・期限・リスク・過納付の処理までを、専門知識がない経営者やこれからベトナムに進出する方でも理解できるように解説します。

2. 法人税(CIT)について

  • 基本税率: 20%(一般企業)
  • 特定業種: 石油・天然資源などは 32〜50%
  • 優遇税率: 投資奨励分野や地域では、10% / 15% 税率や「4年間免税+9年間半減」などの優遇あり
  • 経費計上できるもの: 正規の請求書・証憑がある業務関連費用
  • 計上できないもの: 証憑のない支出、契約なし給与、交際費の一部、無効なVAT請求書 など

申告期限

  • 四半期ごとの仮納付:翌四半期の末日(例:Q1分は4月30日まで)
  • 年次確定申告:翌年 3月31日 まで

3. 付加価値税(VAT)について

  • 基本税率: 10%
  • 優遇税率: 輸出 0%、医療・教育・農業など 5%
  • 計算方法: 「売上にかかるVAT − 仕入にかかるVAT」

申告サイクル

  • 月次または四半期(売上規模による)
  • 提出期限:
    • 月次:翌月 20日まで
    • 四半期:翌四半期 30日まで

注意点
VAT控除を受けるには、電子インボイスの有効性銀行振込による支払いが必須です。

4. 実際の申告・納税の流れ

  1. iHTKKシステムや認可ソフトで申告書を作成
  2. 電子署名で提出
  3. 納税は国庫の指定口座へ送金
  4. 申告書、納税証明、電子インボイスを保存(税務調査に備える)

5. 申告漏れ・遅延・過納付のケースと対応方法

5.1 申告しない・遅延した場合

  • 5日以内:理由が正当なら注意のみ
  • 5〜10日:2〜5百万VND罰金
  • 10〜30日:5〜8百万VND罰金
  • 30〜90日:8〜15百万VND罰金
  • 90日超/未申告:15〜25百万VND罰金 + 延滞利息 0.03%/日

5.2 誤って少なく申告した場合

  • 不足分を追徴 + 20%の過少申告加算税 + 延滞利息 0.03%/日
  • 脱税の意図があると認定されると、1〜3倍の罰金や刑事処分も

5.3 過納付した場合

  • 次期分へ繰越充当、または
  • 還付請求(必要書類提出、数か月かかるケースあり)

例:四半期仮納付で実際より多く納めた → 年次決算で判明 → 翌年以降に充当または還付

6. 日本企業にとっての実務的ポイント

  • 期限を守ることで罰金回避
  • 電子インボイス管理で合法的にVAT控除を最大化
  • 四半期仮納付の管理で資金拘束を避ける
  • 専門家やアウトソーシング活用で日本本社向けのPL/BS/CFレポートを同時作成するのも有効

7. まとめ

法人税(CIT)と付加価値税(VAT)は、ベトナムでの事業運営において避けて通れない基本税務です。
税率・期限・証憑・制裁を理解し、過納付の対応も知っておくことで、リスクを減らしつつ経営を安定させられます。

BETOMOでは、申告・インボイス管理・税務調査対応・日本語報告書作成まで一括サポート可能です。


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