税務調査で日本企業が指摘されやすいポイント5選｜ベトナム子会社のリスクと対策

ベトナムの税務調査で日本企業がよく指摘される5つの典型的な問題点を解説。領収書・移転価格・税務申告・源泉税・給与処理など、外資系企業が陥りやすい落とし穴と実務対応をわかりやすく紹介します。

目次

なぜ日本企業は税務調査の対象になりやすいのか
ポイント1：領収書・インボイス不備による費用否認
ポイント2：移転価格（TP）の問題と本社サービス費用
ポイント3：税務申告の遅延・納付遅れ
ポイント4：源泉税（WHT）の取り扱いミス
ポイント5：給与・賞与・社会保険に関する処理の不備
税務調査の流れと実際の対応
日本企業が今から準備すべきこと
まとめとアドバイス

1. なぜ日本企業は税務調査の対象になりやすいのか

規模・信用力：税務当局にとって「追徴できる可能性が高い」。
制度の違い：日本で合理的な支出も、ベトナムでは「証憑不備」で否認される。
文化の差：形式的な証憑を軽視すると大きなリスク。

👉 日本企業は「真面目だから安心」ではなく、「狙われやすいから要注意」。

2. ポイント1：領収書・インボイス不備による費用否認

ベトナムでは 電子インボイス が費用計上の必須条件。

インボイスなし → 費用否認。
インボイスの記載間違い、20百万VND超の現金払い → 認められない。

事例
ある日系企業は接待費・交通費の50％がインボイスなし。調査でその分が全額否認され、数千万VNDの追徴課税。

3. ポイント2：移転価格（TP）の問題と本社サービス費用

ベトナム子会社が本社からサービスを購入 → 過大計上を疑われやすい。
税務当局は「実際にサービスを提供した証拠」を要求。

事例
本社管理費50万USDを計上した企業。証拠資料が不足 → 全額否認 → 追加課税。

👉 TP文書（NĐ132準拠）を事前に用意すべき。

4. ポイント3：税務申告の遅延・納付遅れ

VAT・PIT：月次/四半期申告必須。
CIT：四半期ごとの暫定納付。
遅延は1日でも罰金。

事例
法人税暫定納付を忘れた企業、1か月後に発覚 → 数千万VNDの遅延利息＋罰金。

5. ポイント4：源泉税（WHT）の取り扱いミス

本社への支払（ライセンス料、ソフト費用、利息など）は 源泉税課税対象。
ミスすると追徴＋罰金。

事例
日本本社に20万USDのソフト料を支払う際、WHTを控除せず送金。2年後の調査で20,000USD＋罰金を追加納付。

👉 日越租税条約による免除手続きを忘れないこと。

6. ポイント5：給与・賞与・社会保険に関する処理の不備

賞与に社内規程・決定書がない → 否認されやすい。
社会保険の未加入 → 二重にペナルティ（行政罰＋費用否認）。

事例
テト賞与3か月分を規程なしで支給。調査で全額否認され数千万VNDの追加税。

7. 税務調査の流れと実際の対応

通常3〜5年に1度。
書類チェック（インボイス、契約書、給与台帳、TP文書など）。
結果は「追徴・罰金」として正式決定。

👉 事前準備が7割。調査時に慌てて用意しても手遅れ。

8. 日本企業が今から準備すべきこと

20百万VND超は必ず銀行振込＋正規インボイス。
TP文書を毎年更新。
賃金・賞与は規程・決定書を整備。
源泉税免除は必ず事前申請。
納付期限を管理するチェック体制を導入。

9. まとめとアドバイス

「日本で合理的＝ベトナムでも認められる」とは限らない。
むしろ逆で、形式を満たさなければ合理的な支出でも否認される。

👉 日本では常識、ベトナムでは違法 になり得る。
👉 早めの準備と専門家の支援でリスクを最小化。

BETOMOは日系企業の税務調査対応を数多く支援してきました。
事前の体制づくりから調査立会いまで、安心してお任せください。

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